FLOW-3D Japan Users Conference 2013 開催報告
10月25日(金)今年は場所を東京コンファレンスセンター(品川)に場所を移し『FLOW-3D Japan Users Conference 2013』(FLOW-3D JUC2013)を開催いたしました。今年は台風27号、28号の動きを毎日天気図で何度もチェックすることからJUCウィークが始まりました。当日は台風による直接の影響は大きくはありませんでしたが、あいにくの天候にもかかわらず多くのユーザ様にご参加をいただきました。
弊社丸湾からは、弊社フローサイエンスジャパンも3年目を迎え、ユーザ様により充実した保守サポートをご提供できるよう努力していくことをご挨拶とさせていただきました。
Flow Science社からの発表
Flow Science社Jensen社長からは、本日FSI社よりDr.BarkhudarovとMr. Jonesから、4つの大きな項目について説明があることを紹介いただきました。
- FLOW-3D/MP 5.0新機能
- FLOW-3D Version11新機能
- FLOW-3D新ポストプロセッサFlowSightTM
- FLOW-3D CAST Version4.0
FLOW-3D新機能紹介では、Dr. Barkhudarovソルバー開発担当副社長よりFLOW-3D/MP Ver.5.0とFLOW-3D Ver.11の新機能のご紹介をいただきました。FLOW-3D/MP Ver5.0はFLOW-3D Ver.10.1ベースとなり、FSI/TSE機能もMP化され使用できるようになりました。FLOW-3D新バージョンVer.11では表面張力モデルをより安定性と精度向上に向け根本的に再構築中であることと、新しいメッシング技術としてキャビティ適合メッシュブロックなどの技術が紹介されました。新しいメッシング技術は、使用メモリの削減、結果ファイルのサイズ縮小が期待されます。その他鋳造向けに金型の熱サイクル計算機能追加、中子ガスモデルの拡張、水理向けに洗掘モデルの拡張についてご説明いたしました。
GUI開発担当Doug Jones氏からはFlowSightTMおよびFLOW-3D CAST GUIについてご紹介いただきました。FlowSightは米国CEI*社のEnSightをベースしたFLOW-3D用にカスタマイズしたポストプロセッサでFLOW-3D Ver.11 GUIのタブに組み込まれ、FLOW-3Dの解析結果をよりビジュアライズに可視化が可能になります。
FLOW-3D CAST GUIは新バージョン4.0からFLOW-3D V10.1ベースになり、これまでのユーザフレドリィな操作性は維持しつつ、FLOW-3D V10.1 の鋳造機能が使いやすくなります。
特別講演
株式会社デンソー 赤池様より「デンソーにおけるCAE促進-これまでの取り組み-」と題し、ものづくりの現場で、CAEが欠かせないツールになってきていること、更にCAEを「使えるツール」にするために「広める」、「高める」、「組み込む」をキーワードに、デンソー様全体でより質の高いCAE技術者を育てるためご社内での人材教育ついて非常に興味深いご講演をいただきました。
ユーザ・プレゼンテーション
①『建築分野における津波解析のためのFLOW-3D活用事例』株式会社竹中工務店様より、東日本大震災を契機に建築分野での津波解析の必要性が高まり、建築物に与える津波遡上についてご発表いただきました。
広域な津波遡上解析にはFLOW-3DのShallow Waterモデルを適用し、建築物への影響を津波は、FLOW-3Dでフル3次元解析を実施、実験との比較をご発表いただきました。
②『燃料電池セパレータの上下面直交押出等の流動解析』日本大学様より、燃料電池で使用されているセパレータを樹脂化、製作する際の押出加工に関する研究発表をいただきました。研究では上下面のそれぞれに溝がある型に樹脂を流した際に、チャンバと呼ばれる装置内でデットメタルを減らすための流動解析にFLOW-3Dをご使用いただいています。
③『FLOW-3Dの高粘性流体の解析への適用と基礎実験による検証』株式会社神戸製鋼所様より、高粘性流体の部分充満(非充満)解析技術にFLOW-3Dをご使用いただいているとの事でした。今回解析モデルは断面2次元モデルを使用し、高粘性流体の充填率と解析メッシュ数を主なパラメータとして解析を実施、実験及び理論値と比較した結果、流動結果(流動挙動)に妥当性があるとご発表いただきました。
④『CFD解析を用いたダイカスト鋳造方案のノンパラメトリック形状最適化』三重大学様より、これまで鋳造製品のものづくりの現場では、熟練の技術者が経験と勘で製品設計を補うところが大きかったものを、遺伝的アルゴリズムを利用したシミュレーション技術を使用し、FLOW-3Dによる方案設計の最適化を行うため研究をご発表いただきました。
⑤『Maximum Thermal Penetration Depthによる計算時間の短縮効果と解析結果の比較』Autoliv Japan様より、自動車のステアリングホイールの金型設計、形状チェックおよび不具合対応にFLOW-3D CASTを適用していただいていることをご発表いただきました。Autoliv Japan様では、世界中のAutolivサイトから不具合対応依頼があり、その対応のため、“Maximum Thermal Penetration Depth”機能を使用し、解析時間短縮の効果と検証結果を発表いただきました。
フローサイエンスジャパンの開発
①『構造インターフェース F.SAI紹介』弊社根本より弊社開発ツールF.SAI(FLOW-3D Structure Analysis Interface)のご紹介をさせていただきました。現在ますます流体-構造連成解析のご要望が増えてきており、F.SAIを使用すれば簡単に、FLOW-3Dの解析結果(流体圧力、流体温度、壁温度の荷重データ)を汎用構造解析ソフトに受け渡しができ、流体の影響を考慮した高精度な構造解析が可能になります。
②『FLOW-3Dにおける個別要素法の開発状況+α』弊社馬場より個別要素法(DEM)との連成解析機能開発の進捗とFLOW-3Dを使用した溶接解析機能についてご紹介させていただきました。FLOW-3Dと個別要素法(DEM)については昨年発表からの開発の進捗を主に、壁面接触不安定製問題の改善と新たにサブタイムステップ手法と粒子の粗視化による計算時間の短縮をご報告させていただきました。
溶接解析はここ数年多くのお問い合わせをいただいておりますレーザ溶接解析、アーク溶接について、簡単な例題をご紹介させていただきました。
FLOW-3D European Users Conference2013/FLOW-3D World Users Conference2013ご報告
引き続き馬場より今年6月スペインで開催されましたヨーロッパユーザカンファレンスから「カルタヘナ工科大学 ダイカストプロセスにおける溶融金属の射出と空気ポロシティとの関係」を、根本より9月シカゴで開催されましたワールドユーザカンファレンスより「IBISグループ 沿岸域向けフラップゲート型波力発電装置」について事例報告させていただきました。
カンファレンス終了後は場所を東京コンファレンスセンター「ホワイエ」に移し、ビュッフェスタイルの懇親会を開催させいただきました。懇親会が始まる頃には雨風も一旦上がり、多くの方にご参加いただき、ユーザ様同士、弊社スタッフとの懇親の場として大いにご利用いただきました。
来年はFLOW-3D新バージョンのリリースをはじめ、弊社フローサイエンスジャパンで開発中の溶接解析機能のリリースを予定しております。ぜひ今後のFLOW-3D/FLOW-3D CASTにご期待いただければと思います。
なお、当日配布資料(CD)をご希望の方はお問い合わせフォームより配布資料希望の旨ご記入いただきお申込みください。
【FLOW-3D Japan Users Conference 2013 開催概要】
日 時: | 2013年10月25日(金) 10:00~17:45(受付9:30開始) 18:00~19:30 懇親会 |
場 所: | 東京コンファレンスセンター 品川 大ホール(JR品川駅港南口(東口)より徒歩2分) |
主 催: | 株式会社フローサイエンスジャパン |
プログラム
9:30 | 受 付 (東京コンファレンスセンター 品川 大ホール) | ||||||||||||
10:00 | 開 会 | ||||||||||||
10:00~ | ご挨拶
株式会社フローサイエンスジャパン 代表取締役 丸湾 ラエド
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10:10~ | ご挨拶
Flow Science Inc.社長 Thomas S Jensen
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10:20~ | Advances in Free Gridding Techniques, Casting and Hydraulics Modeling
Flow Science Inc. 副社長(ソルバー開発担当) Dr. Michael Barkhudarov
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11:20~ | The Evolution of FLOW-3D Interfaces
Flow Science Inc. (GUI開発担当) Doug Jones
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12:00~ | 昼食(当社でご用意いたします) | ||||||||||||
13:00~ | 特別講演 「デンソーにおけるCAE促進 -これまでの取り組み-」
株式会社デンソー 技術開発センター DE推進室長 赤池 茂 様
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13:40~16:10 |
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16:10~ | FLOW-3D-フローサイエンスジャパンの開発構造インターフェース F.SAI紹介
株式会社フローサイエンスジャパン 技術部 根本 泰則
FLOW-3Dにおける個別要素法の開発状況 株式会社フローサイエンスジャパン 技術部 馬場 周平
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17:00~ | FLOW-3D European Users Conference2013/FLOW-3D World Users Conference2013ご報告
株式会社フローサイエンスジャパン 技術部 馬場 周平・根本 泰則
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17:30~ | 質疑応答 | ||||||||||||
17:45 | 閉 会 | ||||||||||||
18:00~ | 懇親会 (5Fホール前ホワイエ) |