CFDを使用して インクジェット 設計の性能を向上
世界中のインクジェットメーカがプリンタ性能を向上させるために FLOW-3D を使用しています。設計技術者は液滴の生成(ボリューム、形状、速度、サテライトの生成)、そしてノズル形状、温度、気泡エネルギおよび表面張力などこれら変量の効果を研究できます。
FLOW-3D を用いたバブルジェットの設計
FLOW-3D の気泡モデルは広範囲に適用でき、単純な一定圧力モデルから、熱伝達、相変化、および流体と蒸気の両方を含む圧力の力学からなる複雑な蒸気泡まで取扱えます。
Alternative Drop Ejector Architecture(交流で液滴を射出する装置)。提供:Eastman Kodak社。
以下のイメージは、流体中で一たび過熱温度に達すると爆発的に蒸気泡が形成されることを示しています。気泡は、蒸気に対するクラペイロンの方程式によって支配される力学を仮定しており、均質の圧力と温度を持つとしています。蒸気と液体の界面における質量と熱の交換は、力学理論から決定される質量流束を持つ気泡膨張ですので連続しています。また、シミュレーションには表面張力および粘性力も含まれています。
圧力駆動インクジェットのモデル化
射出された液滴の形状が、圧力の駆動パルス、ノズル形状、表面張力係数やその他のパラメータによってどのように影響されるかを研究することにFLOW-3Dを使用できます。左に示されているのは、上流側の圧力履歴が指定されている圧力駆動ノズルからの液滴形成の例です。
ピストン駆動インクジェットのモデル化
射出された液滴の形状が、圧力の駆動パルス、ノズル形状、表面張力係数やその他のパラメータによって、どのように影響されるかを研究することに FLOW-3D を使用できます。このシミュレーションは、移動ピストンによって駆動するノズルからの液滴の形成を示しています。
連続インクジェットのモデル化
連続インクジェット(インク破断の流れで定期的に区切られる液滴から成る)は、産業応用においてバッチ番号や製造品目の有効期限を印字することにしばしば使用されています。液体の連続したジェットは、Rayleighによってはじめて提唱された不安定性を条件としています。(Rayleighは、軸対称ジェットがジェットの円周より大きな波長の擾乱が不安定であることを示しました。)
ある程度の制御と再現性を連続インクジェットに加えるために、通常は定期的に区切られる一連の液滴のジェット破断を確保する擾乱の指定が、ジェットの起源に適用されます。示した図は、初期の直径が60μmで軸の平均速度が10m/sを持つ連続ジェットの FLOW-3D シミュレーションを表しています。ジェットの液体は、水の物性を持っています。ジェット起源で速度において振動数12.57e4[rad/s]の正弦波摂動は、ジェット破断の液滴をもたらします。
音響起因インクジェットのモデル化
音響起因の運動量および熱起因の表面張力変化は、インク流動から液滴を分離することに使用できます。左のイメージは、熱起因によって生成されたシミュレーションの液滴と実験的に観測された液滴を表しています。
このアニメーションは、高い表面張力のために破断できない音響起因のジェット、および同じ状態のまま加熱した様子を示しています。加熱されたジェットは液滴に破断します。
インクジェットの適用に対する流体構造連成のモデル化
一般移動物体モデルが FLOW-3D バージョン9.0で紹介されました。商用CFDコードの中では唯一無二と言えるこのロバストなモデルは、流体の流れと完全に連成された6自由度の剛体力学をモデル化できます。この強力な流体構造連成モデルには強力なツールを技術者に提供する多くの特性があります:
- ユーザは、多数の物体の運動を評価できます。
- 幾何形状または運動の範囲に全く制限はありません。
- 物体は自由に移動できるし、あるいはユーザが強制的に運動させることができます。
- 時間依存指定のスラスト力およびトルクを物体に適用です。
- 運動の範囲は、固定軸または固定点を回る運動を含んでいます。