FLOW-3D Asia Users Conference 2014 開催のご報告
2014年10月24日(金)、東京カンファレンスセンター・品川にて、FLOW-3Dのユーザー会を開催しました。今年は名称を従来の「Japan Users Conference」から「Asia Users Conference」に変更したのですが、これは開発元の米国フローサイエンス社からの要望によるものであり、日本のユーザー会がアジアでは最大規模であるためです。私たちスタッフも名前負けしないよう、気合を入れて臨みました。当日は晴天にも恵まれ、お陰様で多くのユーザー様にご参加いただくことが出来ました。
初めに弊社代表の丸湾からご挨拶をさせていただきました。今後、弊社独自開発の製品を販売していく計画を改めて発表しました。
続いてフローサイエンス社のJensen社長からのご挨拶です。多数のユーザー様のご参加に感謝しておりました。
Flow Science社からの発表
午前のセッション最後はフローサイエンス社ソフトウェア開発担当のDitter副社長から、FLOW-3D V11/FLOW-3D CAST V4/FlowSightTMのGUIについて説明がありました。新しく追加されたFAVORTMの品質チェック機能や改良された材料データベース、FlowSightTMで実現されたポスト処理などが発表されました。
今年の昼食はお弁当をご用意致しました。実は昨年、下の階のレストランでのビュッフェにしたのですが、移動が面倒であったり、場所が取れなかったり、料理を取るのに並ぶ必要があったりとお叱りを多く頂戴しました。反省して今年はお弁当にしたのですが、いかがでしたでしょうか?
また、今年は富士通株式会社様とデル株式会社様のご協力をいただき、TCクラウドサービスとFLOW-3D/MPを紹介するブースを設けました。お昼休みなどは賑わいがあり、概ね好評だったようです。今後もユーザー様に有益だと思われる情報を提供していく予定です。
午後のトップバッターは、弊社技術部の馬場が、フローサイエンス社のBarkhudarov副社長の代理で、先日リリースしましたV11と将来計画について説明しました。V11からは、水理と鋳造の分野での機能改善、FSI/TSEモデルでの外部メッシュインポート、k-ω乱流モデルなどを紹介し、FLOW-3D/MPのトピックをはさんで、粒子モデルやGPGPUなどの開発計画、後半にV11のメッシュ改善の詳細など、盛りだくさんの内容でした。
ユーザ・プレゼンテーション
ここからはお待ちかねのユーザープレゼンテーションです。
①『FLOW-3Dによるアルミダイカストにおけるブローホール挙動の2D解析評価』
旭テック株式会社様より、アルミダイカストのブローホール挙動の解析事例をご発表いただきました。凝固時における表面と内側の巣の出来方の違いを簡易モデルで検証されたとても興味深い内容でした。巣の問題は多くのユーザーが関心を抱くであろうテーマだと思いますが、これからのご進展にも期待できそうです。
②『可変ピッチ垂直軸水車の開発と性能評価』
日本大学様より、潮流発電用の垂直軸水車をFLOW-3Dで解析された事例をご発表いただきました。性能を向上させるため、回転中に翼の角度を変える可変ピッチ方法を採用されたそうですが、その複雑な挙動の解析に、カスタマイズしたFLOW-3Dがお役に立てたとの事でした。現代の省エネ時代に必ずや必要とされる技術であり、水槽実験との比較など大変貴重なご発表でした。
③『生コンのシミュレーション-スランプ試験の解析による物性推定とミキサー車の解析-』
今年のユーザー発表の取りはKYB株式会社様にお願いしました。FLOW-3Dのユーザー会では3度目のご発表です。いつもありがとうございます。前2回は鋳造分野でのご発表でしたが、今回はコンクリートミキサー車内の生コンの挙動解析でした。CFDとしては大変難しいテーマだと思いますが、ビンガム流体を用いて生コンをモデル化し、品質工学を駆使して定性的な感度評価をされたエンジニアリング魂あふれる見事なご発表でした。
フローサイエンスジャパンの開発
①『レーザ溶接・DEM・FLOW-3D構造インターフェース(F.SAI)』
午後の部の後半は弊社の開発状況や事例を発表しました。まずは技術部の日出より、レーザ溶接・DEM(個別要素法)・F.SAI(構造解析との連成インターフェース)の開発状況を説明しました。今後、これまで弊社で開発した機能をまとめ、別モジュールとして販売していく方針です。個別カスタマイズと比べると安価に機能をご利用いただけますので、是非ご検討ください。
②『粒子による気泡追跡と空気巻き込み』
続きまして、弊社技術部の根本より、粒子による気泡追跡機能を紹介しました。通常、気泡はセルサイズ以下になると追跡することが出来ませんが、質量粒子に置き換えることで、簡易的にその行方を追うことが可能になります。メッシュを細分化することなく気泡の追跡ができるため、鋳造・樹脂成型など、気泡問題への適用が期待されています。
FLOW-3D TCクラウドサービスについてのご紹介
ユーザー会の最後を締めくくるプレゼンテーションとして、富士通株式会社様より『オンデマンドHPC環境提供によりFLOW-3Dの高速化計算を実現するTCクラウドサービス』のご紹介をいただきました。これまでCAEなどのHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)はクラウドとは少し縁遠いようなイメージがありましたが、TCクラウドはHPCに特化したクラウドとして多くの実績があり、今年からFLOW-3Dも動作するようになりました。繁忙期の計算リソース対策などにご利用いただけます。FLOW-3Dと合わせたキャンペーンも実施中ですので、お気軽にお問合せください。
ユーザー会の後は恒例の懇親会です。今年は例年以上のご参加をいただき、担当者は料理の量を心配するほどでした。くじ引き大会も盛り上がりを見せ、終始和やかな雰囲気でご歓談いただけたかと思います。私たちスタッフにとりましてはユーザー様の生の声を伺える貴重な時間です。来年以降もどんな事でもお気軽にご相談ください。
今年のユーザー会も盛況のうちに無事幕を閉じることが出来ました。偏にご発表いただいたユーザー様をはじめ、ご参加いただいた皆様のお蔭です。ありがとうございました。今後も一人でも多くのユーザー様にご満足いただけるよう、サポート・ホームページの充実、新しい機能の開発に邁進して参ります。今後ともご指導ご鞭撻を賜ります様、よろしくお願い申し上げます。
【FLOW-3D Asia Users Conference 2014 開催概要】
日 時: | 2014年10月24日(金) 10:00~17:45(受付9:30開始) 18:00~19:30 懇親会 |
場 所: | 東京コンファレンスセンター 品川 大ホール(JR品川駅港南口(東口)より徒歩2分) |
主 催: | 株式会社フローサイエンスジャパン |
プログラム
9:30 | 受 付 (東京コンファレンスセンター 品川 大ホール) | ||||||||
10:00 | 開 会 | ||||||||
10:00~ | ご挨拶
株式会社フローサイエンスジャパン 代表取締役 丸湾 ラエド
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10:20~ | ご挨拶
Flow Science Inc. 社長 Thomas S Jensen
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10:30~ | Developments in FLOW-3D Interfaces
Flow Science Inc. 副社長John L. Ditter
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12:00~ | 昼食(当社でご用意いたします) | ||||||||
13:00~ | FLOW-3D v11 and Future Development Plans / Advances in Meshing in FLOW-3D v11
株式会社フローサイエンスジャパン 技術部 馬場 周平
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14:00~15:30 |
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15:30~ | FLOW-3D-フローサイエンスジャパンの開発 レーザ溶接・DEM・FLOW-3D構造インターフェース(F.SAI) 株式会社フローサイエンスジャパン 技術部 日出 勝利
粒子による気泡追跡と空気巻き込み 株式会社フローサイエンスジャパン 技術部 根本 泰則
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17:00~ | オンデマンドHPC環境提供によりFLOW-3Dの高速化計算を実現するTCクラウドサービス
富士通株式会社 TCソリューション事業本部 HPCアプリケーション統括部 マネージャー 宮原 豊 様
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17:30~ | 質疑応答 | ||||||||
17:45 | 閉 会 | ||||||||
18:00~ | 懇親会 (5Fホール前ホワイエ) |