FLOW-3D European Users Conference 2016のご報告


FLOW-3D European Users Conference 2016のご報告(2016年6月14日~16日)

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2016年6月14日から16日まで、ポーランドの古都クラクフにてThe 16th FLOW-3D Europian Users Conference 2016が開催されました。弊社からは丸湾、渡辺、青野が出席いたしました。ヨーロッパ各国からユーザ様がご出席・ご発表をして下さり、カンファレンスは盛況のうちに終了いたしました。

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日本各地で梅雨入りが発表された頃、天候に恵まれ晴天の中ヨーロッパに向けて出発いたしました。成田空港からウィーン・シュヴェヒャート国際空港を経由しクラクフ空港までの長旅です。

無事ウィーンに到着しこれからクラクフへ向かおうとした所、ここでトラブルが発生してしまいました。乗り継ぎカウンターとボードで確認しますと、クラクフ行きの飛行機が雷雨の影響で遅延しているという情報を知らされます。なんと20:40発予定の飛行機が翌朝7時発に変更されていました。この影響で予定は大幅に変更となり、荷物が無いままウィーンに1泊しなければなりませんでした。

写真はウィーン空港内の様子です。多くの人が宿泊するホテルの案内を聞き、輸送バスを待っている状況です。

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航空会社が用意したホテルに到着したのは深夜、さらに翌朝5時ピックアップとのことで束の間の休息を取り翌日に備えました。

前日の疲労が残る中、無事に定刻通りウィーンを発ちました。予定から一日遅れで目的地クラクフに到着です。カンファレンスが行われるクラクフ旧市街のホテルまで電車で移動しました。クラクフ旧市街は世界遺産に登録されており、中世からの街並みが残るとても美しい街でした。街全体はコンパクトに纏まっており、1日あれば歩いて隅々まで回ることが出来ます。

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EUC2016は、クラクフの中央広場から程近いグランドホテルで行われました。

6月14日(火) 半日トレーニング

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カンファレンス1日目は、米国Flow Science社(以下、FSI社)のDavid Souders氏によるFLOW-3Dのカスタマイズとバージョン11.1の新機能であるアクティブシミュレーション、後処理バッチプロセスについて講義形式のトレーニングが行われ、とても有益な情報が提供されました。

6月15日(水) ユーザーズカンファレンス1日目

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FSI社のThomas Jensen社長からEUC2016の開会の挨拶があり、2日間のカンファレンスが始まりました。Thomas Jensen社長から2016~2018までの開発計画が発表され、ユーザインタフェースとソルバの両方で大変興味深い開発がなされることが示されました。今後数年の開発により、付加製造のような新しい分野に対しても適応可能なソフトウェアが準備されるとのことです。

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FSI社のMichael Barkhudarov副社長からは、FLOW-3Dのソルバ開発と改善点についての報告がありました。新しいバージョンのFLOW-3DのGMRESソルバやFAVOR処理の改善、ダイカストにおける冷却スプレーなどの新機能についての説明がありました。

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短い休憩を挟み、ユーザープレゼンテーションが始まりました。

最初の発表はRoche Diagnostics Gmbh(ドイツ)のJulien Boeuf氏より、スロットダイコーティングによるダイと基盤間のギャップの影響をFLOW-3Dを用いて調査した件の発表がありました。本件は弊社と共同で行われました。

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2番目のプレゼンターは、Osterreisches GieBerei-institute(オーストリア)のStefan Heugenhauser氏です。

鋳造アルミニウム-アルミニウム合金合成物のために開発された新しいベルト鋳造プロセスについてのご発表を頂きました。

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ここでお昼休憩です。ポーランド料理を楽しみながら、盛んに意見を交わす様子が見られました。

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昼食後、ユーザ発表が再開されました。Plastic Omnium(フランス)のPhillipe Georis氏から、自動車の燃料タンクへ完璧な品質の燃料を届けるために、FLOW-3Dを用いてパイプ形状の最適化を行った経験をご発表頂きました。

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続いて、Form S.r.l社(イタリア)のDeniele Grassivaro氏より、高圧ダイカストの金型浸食の主な原因の一つであるキャビテーションについてご発表頂きました。この現象を分析するためにFLOW-3Dのキャビテーションポテンシャルモデルを使用した結果、より良い品質の製品を生産するためのゲートデザインに変更することができました。

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休憩後は、PROTESA spa (Sacmi Group)(イタリア)のEmanuele Andalo 氏によるご発表です。凝固プロセス中に収縮による残留応力を有する領域を特定するためにFLOW-3DのFSIモデルを使用した事例が紹介されました。

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ウィーン工科大学(オーストリア)のBoris Huber氏より、斜水路の高速流によるキャビテーション損傷を避けることを目標としたご発表がありました。数値モデルの信頼性を確認するために、ステップの高さ、そらせ板、水吐口の斜水路の傾斜を変えたモデルを用いてFLOW-3Dでいくつかのエアレータをシミュレートしていました。

6月16日(木) ユーザーズカンファレンス2日目

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カンファレンス2日目はヴロツワフ工科大学(ポーランド)のOscar Herrera-Grandos氏から発表が始まりました。新しいポーランドのNiedow地区の河川構造物の再構築についての分析を提供するために、FLOW-3Dと彼のプロセスによる自然のモデリングを比較していました。

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クラクフ工業大学(ポーランド)のBernardino Twarog氏からは、環境工学の分野で様々な障害物解析がご発表されました。

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FSI社のAmir Isfahani氏から、直感的なインターフェースのデザインを介して、シミュレーションワークショップを向上させることについての発表がありました。

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弊社の丸湾からは、弊社開発製品であるFLOW-3D WELDを用いた溶接固有のモデリング開発について報告いたしました。

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アーヘン専門大学(ドイツ)のDaniel Valero氏からは、一般の環境流れに接した経験を提示し、FLOW-3Dの強みである複雑な流体の流れについてのご発表がありました。

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Foundry Research Institute(ポーランド)のMarcin Malaysia氏は、難しい湿地環境状況で使われる大型車両のサスペンション部分の新しい鋳造部品の開発、およびプロセスの背後にある複雑さをいかに最適化するかの開発をしており、発表により彼の経験を共有できました。彼はまた、設計プロセスにおいて、FLOW-3Dのようなシミュレーションソフトウェアの重要性を示しました。

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最近FSI社とパートナーとなったFRIENDSHIP SYSTEMS AG(ドイツ)のStefan Harries氏より、最適化ソフトウェアCAESESとFLOW-3Dとの統合による強力な機能を実証するご発表がありました。

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2日間のユーザ発表が終了し、その後Open Forumが開かれました。ここではユーザ様が日頃抱えている問題や疑問点などについて多くの議論が行われました。これにて3日間のEUC2016は終了いたしました。

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EUC2016が無事終了した翌日、各国のユーザ様や代理店の方々と挨拶を交わし、ポーランド・クラクフを後にして帰国の途につきました。今回のカンファレンスを通して、世界各国で様々な問題に対してFLOW-3Dが利用されていることを実感し、問題解決のために工夫されたアプローチ方法は非常に勉強になりました。今後も弊社は日本国内に限らず、自社開発された溶接やDEMモジュールなどを活かして米国やヨーロッパ、アジアなどのユーザ様と共に、積極的に共同開発やプロジェクトに取り組んでまいりたいと思います。

文責:技術部 青野

 

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