FLOW-3D America Users Conference 2015のご報告(2015年9月22日)
今年のAmerica Users Conference は、2015年9月22日にデンバーで開催されました。弊社フローサイエンスジャパンからは丸湾、中村、窪田が参加いたしました。デンバーは、成田から直通便がでているため、快適に移動することができます。Conference は、ダウンタウンにあるホテルモナコで行われ、弊社から中村が発表を行いました。
デンバーは標高1500 mの高地に位置する大きな都市で特にスポーツが盛んです。
ダウンタウンには、路面電車が走っており、大学やフットボール場を結びます。広い公園に動物園と博物館があり、気候も穏やかですのでとても過ごしやすい印象を受けました。
Flow Science社(以下、FSI)のAmir氏からVer11.1の新機能についての説明がありました。新機能の一つであるActive Simulation Controlは計算領域内にあるプローブの情報を使用して、流入量や射出速度などを自動的に制御します。これは、いくつかの段階を持つ計算で、有用な機能になりそうです。そのほかにも、測定された流量、水位を使用することのできる新しい境界条件、地形データの読み取りインターフェイス、係留索モデル、P-Q2線図を利用した射出スリーブプランジャーの運動、新しいキャビテーションモデル、スポンジ層コンポーネント機能が追加されます。また、洗掘モデル、サーマルダイサイクリング、圧力ソルバ―であるGMRESが改善されるそうです。
USBR社のHeiner氏よりご発表がありました。USBR社は古くから実験、シミュレーション両面から水理問題に取り組んでいます。今回は、ダムや魚道の問題に対して実験的なモデルを含む数値モデルと、数値モデルのみの結果を提示し、議論しました。
ARCADIS社のLagumbay氏より、貯水池崩壊のシミュレーションについてご発表されました。貯水池の流れを3Dで下流の流れは浅水モデルを使用した2Dで解析する3D-2Dハイブリッドで行った大規模な水理計算についての事例をご紹介いただきました。
FSIのAmir氏から、朝に話がありましたVer11.1の新機能の使い方についての説明が行われました。
アメリカの鋳造メーカであるMetal Tek社のEmmerich氏から鋳造解析についての発表がありました。遠心力を使用した鋳造解析についての事例をご紹介いただきました。
HDR社のMcCoy氏よりご発表いただきました。HDR社は、FargoにあるRedRiverの迂回路の設計を取り扱っています。この迂回路は、ほかの川の影響により水路が複雑になるため、FLOW-3Dを使用して水理解析を行ない、水路デザインの最適化に取り組んでいます。。
シカゴイリノイ大学Vivek氏より、粘弾性流体のピンチオフダイナミクスに関する研究についてのご発表があり、このダイナミクスで計算される半径プロファイルがニュートン流体の場合には良い一致を示すことを発表いただきました。
弊社から、中村が発表いたしました。粘弾性特性を持つコンクリートのスランプテスト挙動が実験とシミュレーション結果が良い一致を示すことを発表し、ほかの多くのお客様から関心を集めました。
コロラド州立大学のZhou氏よりご発表いただきました。コロラド州立大学は、障害物が取り除かれた際に発生する密度流の挙動を、障害物の大きさを変化させながら確認し、シミュレーション結果が実験結果と良い一致を示すことを発表されました。
デンマーク工科大学のLi氏より、充填された 球に溶湯を注いだときの圧力損失についてFLOW-3Dを用いた研究をご紹介いただきました。充填している球のサイズ分布等を変化させたときの圧力損失の状況についてご発表いただきました。
今年のユーザーズカンファレンスも内容豊富で非常に有益な情報を得ることができました。サポートの上で日本のユーザ様にもお役立てできればと思います。
文責:技術部 窪田