検査紙 コーティング におけるギャップの影響
背景
Roche Diagnotics社では、血糖値、凝血などの検査機用に、薄膜回路に化学的な コーティング を直接行う電気化学的な検査紙を開発している。 コーティング には古典的な前計量系のスロットダイ技術が使われているが、検査紙が小さくなると端部の効果の影響が大きくなってくる。ここではダイと検査紙基板の間のギャップがフィルム厚に与える影響を解析し、実験結果との比較を行う。
解析モデル
- 非圧縮1流体モードを使用
- 使用物理モデル
- 使用物理モデル
- -表面張力
- -粘弾塑性
- -粘性
- -粘弾塑性
解析結果
ダイから近い領域では弾性率の影響は少ないため、接触角のみを与え解析を行った。その結果、ダイとロール間のギャップによるフィルム厚の変化が確認できた。
湿潤フィルム形状は時間変化により、接触角の設定だけでは表面張力の影響で縮んでしまうため、粘弾性モデルを使用し解析を行った。粘弾性モデルは降伏応力(yield stress)やせん断速度依存の剛性率が与えられていないと、ダイの立ち上がり部分で応力が過大に蓄積されるのではないかと思われる。上図よりその影響が確認できた。
まとめ
- FLOW-3D を用いて、ダイと検査紙基盤間のギャップの影響を正しく予測できることが分かった。
- ダイから近い領域では弾性応力は緩和されるため、せん断力の影響は無視できる。
- FLOW-3D では粘弾性モデルを使用することでダイから離れた領域の解析も可能であることが分かった。
※資料提供 : Roche Diagnotics社 様