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FLOW-3D What’s New Ver.11.1
FLOW-3D v11.1.0は、より素早くシミュレーションを設定し、一般的なエラーを回避し、欠測データを確認・入力して、計算結果のポスト処理において重要かつ有益な情報を迅速に生成することで、エンジニアのシミュレーションに係わる作業の簡素化を継続しています。FLOW-3D v11.1.0における新機能の一部をご紹介いたします。
性能と有用性
GMRES 圧力ソルバ
GMRES 圧力ソルバのスピードは、ソルバで用いられるデータ構造の最適化により、最大2倍に改善されました。性能の進歩はメモリ使用量の20%以下の僅かな増加に由来します。メモリ負荷が大きいケースに備えて、v11.1より前のGMRES圧力ソルバはOPT_GMRES =0を設定することで現在もなお使用できます。
サンプリングボリューム
サンプリングボリューム機能は、任意形状によるコンポーネントの特殊な種類を用いたサンプリングボリュームの定義を追加することで刷新され、それ故計算上の要求のためにユーザがサンプリングボリュームをより良く一致させることを可能にします。各サンプリングボリュームで算出された出力量の一覧は、流体の体積や最大/最小温度や粒子の個数のように、解析領域全体で算出された全ての同内容の量を含むように拡張されました。
旧バージョンからポートフォリオをインポート
ポートフォリオはFLOW-3D の旧バージョンからインポートすることが可能です。
ワークスペースのコピー
ワークスペースをコピーすることが可能です。
旧バージョンからワークスペースをインポート
少しだけ楽にFLOW-3D の新バージョンを更新するために、オープンワークスペースでFLOW-3D の旧バージョンからインポートすることが可能です。
Simulation Pre-checkの拡張
シミュレーションのpre-checkはpreprocessor checksを含み、問題が生じる原因とリンクします。
透明性の改良
depth-peeling機能により形状の透過を良好に描画し、以前の10倍の速度で処理します。
Model Setupのインタラクティブ機能
バッフル、時刻歴プローブ、ボイド/流体ポインタ、バルブ、質量湧き出し、そしてスクイズピンに対する、新しいインタラクティブな作成機能があります。加えて、プローブやクリップのインタラクティブ機能が改良されました。
全般的なEnable/Disable
全てのオブジェクト(メッシュ、コンポーネント、流体領域)でenabled/disabledを使用することが可能です。
イメージ/テキスチャーのオーバーレイ
構造物に適応させ、より写実的に表示するために、設定の際にmodel setupにおいてイメージを形状にオーバーレイすることが可能です。
コンポーネントの追加作成
“ドラッグ・アンド・ドロップ”でコンポーネントを追加作成することが可能です。
FSI/TSE モデル
構造解析モデルの性能は、部分的な連成シミュレーションにおいて、ソルバの並列化と最適化により強化されました。加えて、組み込まれた有限要素メッシュジェネレータは円柱座標系に対応するように拡張されました。そのためユーザは直交座標系で有限要素メッシュを生成し、シミュレーションを円柱座標系へインポートするといった、余分な手間は必要ありません。
質量湧き出し
質量湧き出しモデルで、流量の代わりに流速で定義する機能が追加されました。また、質量湧き出しの形状をSTLファイルで定義することが可能です。
残り時間の見積もり
ショートプリントのソルバメッセージファイルが出力する項目に、見積もられた残りのシミュレーション時間が追加されました。
物差し
シミュレーション設定の補佐のため、Meshing & Geometryウインドウ内に物差しが追加されました。
単精度ソルバの廃止
単精度ソルバとそれに関連したカスタマイズのソースコードは、並列化計算において無視できない丸め誤差が生じる可能性があるため、配布が廃止されました。
ソルバのカスタマイズ
FORTRANソースコードにおける最も重要な変更は、メッシュセルに与えられた各方向成分のインデックスi,j,kの抽出です。構造インデックスはijk_str、方向成分のインデックスはi=i_str(ijk_str)、j=j_str(ijk_str)とk=k_str(ijk_str)で与えられます。旧バージョンではijk_strの代わりに、流体サブドメインのインデックスにijkを用いました。
一般的なアプリケーション
Active Simulation Controlアクティブシミュレーションコントロール
アクティブシミュレーションコントロールは、時刻歴プローブでユーザが定義した状態に基づき、実行中にパラメータを自動で変更することを許可します。時刻歴プローブによって記録された流動の変数により、例えばメッシュの境界条件、質量湧き出しやGMOコンポーネントのような、時間依存の変動を制御します。
バッチのポスト処理
ソルバが終了する際に、ユーザは自動で生成される一連のプロット/アニメーションを定義することが可能です。FlowSightで生成され、要求された出力を生成するためにコンテキストファイルを使用します。
レポート作成
バッチのポスト処理機能により、HTML形式のレポートを作成することも可能です。
flsgrf.*エディタ
FLOW-3D v11.1.0の結果ファイルを編集するユーティリティにより、結果ファイルの結合と記述の削除が可能です。このユーティリティはFLOW-3D インストールフォルダのlocalディレクトリ内に格納され、grfedit.batもしくはgrfedit.shファイルを起動します。
空気連行モデル
空気連行モデルに、例えば高圧ダイカストにおける充填過程のように、流体圧力の著しい変化を伴う流動で重要となる、巻き込まれた空気の圧縮性を考慮する機能が新たに追加されました。
キャビテーションモデル
乱流におけるキャビテーションの挙動を良好に再現するように強化されました。新機能となる、経験的関係に基づくキャビテーションの核生成は、既存の一定率アプローチにより補完されます。新しいパッシブモデルには流体内のキャビテーションによるガス追跡の機能が追加されましたが、実際の流動には影響しません。
燃焼固体のコンポーネント
固体推進剤の燃焼を計算する機能が追加されました。反応率は局所的なガス圧の関数で定義されます。
2流体相変化モデル
2流体(液体とガス)相変化モデルに過冷却が追加されました。凝縮が起こる前に飽和点以下まで降下したガス温度を含めた、一定の過冷却温度を定義することで対応します。
流体/壁面接触時間
流体が各コンポーネント形状に接触する時間を保存する空間出力量が新たに追加されました。
流束面
流動の指定領域における特性評価の改良により、表面欠陥や流体の滞留時間のように、流体が面を通過する際に空間変数をゼロにリセットする、流束面についての新たな特性が追加されました。
鋳造のアプリケーション
スクイズピンモデル
鋳造の凝固過程で供給が難しい部位で溶湯の収縮を補うスクイズピンについて、実際のダイカストマシンの特性をモデル化しシミュレーションすることが可能です。
PQ2 ダイアグラム
PQ2ダイアグラムを使用することで、実際のショットスリーブプランジャの特性をより良好に近似します。この新機能は、実際のプロセスパラメータについて未知の場合、特にダイカストの設計段階で有益です。
サーマルダイサイクリングモデル
サーマルダイサイクリング(TDC)モデルは、2つの新たなステージを追加することで強化されました: 放出ステージ-型は開いているが部品が型の放出側内にある時、そして、準備ステージ-充填直前に型が閉じる時です。加えて、TDCソルバは最終区間を対象とする代わりに、サーマルダイサイクリングの全区間で収束した解をもたらすように最適化されています。これは性能が損失することなく得られます。
バルブとベント
バルブとベントの外部圧力と温度は、ダイカストの充填時にこれらをより現実的な特性で定義するために、時間テーブルによる関数として設定します。バルブ/ベントの圧力と温度は、キャビティ内に位置したプローブにより制御することが可能で、プロセスの設計段階で有益です。
冷却チャネル
冷却チャネルは、各々の冷却チャネルによる型への抜熱と発熱の合計量により制御することが可能です。
電卓
電卓はUtilitiesドロップダウンメニューにアクセスし、熱伝達係数、熱浸透深さ、バルブの損失係数、ショットスリーブ内の流体深さ、そしてプランジャ速度を見積もります。
水理環境のアプリケーション
流量曲線と自然に流入するメッシュ境界条件
流量と流体の水位に関する流量曲線により、このような境界条件の定義を簡素化して、メッシュ境界上の流入条件を設定することが可能です。ユーザは流量のみ設定します;流体の水位は流量曲線を用いて自動で算出されます。流量曲線は、流体の水位が算出された流量から自動で設定される際に、流出境界における静水圧境界条件と併用することが可能です。流入の流量曲線が無い時は、境界における流体の水位がシミュレーション中に自動で算出され、ユーザは”自然な”境界条件を定義することが可能です。
ラスタデータインターフェイス
海底地形データは、一定間隔の地形標高値を含むラスタデータファイルからインポートされます。加えて、複雑地形での洪水イベントをより現実的にモデリングすることを目的として、地形の粗さは土地を利用したラスタデータを用いて形状が描かれます。
サブコンポーネント毎の表面粗さ
外部のラスタデータに加えて、表面粗さの定義はコンポーネントからサブコンポーネントに拡張されました。
スポンジ(消波)層
スポンジ層による波減衰アルゴリズムは、メッシュ境界から表面波の反射や解の干渉を最小化するように追加されました。コンポーネント形状の特別な種類として、スポンジ層の位置、形状や方向を設定します。
係船索
バネとロープのモデルは、例えば浮桟橋を河床に取り付けるような、長く重いロープもしくはケーブルである係船索のモデル化により拡張されました。本モデルは線の沈殿部に生じる流体力と同様に、係船索の重量、張力と浮力を考慮します。
洗掘モデル
流砂輸送の従来のMeyer-Peterモデル(1948)から土砂送流の適用範囲を拡張するために、Van Rijn (1984)とNielsen (1992)の2つの経験的近似から補足しました。