中子ガス 欠陥の数値シミュレーション
背景
ポロシティは鋳物に共通する深刻な欠陥である。放出された 中子ガス が凝固中に排出されずに製品中に残るタイプのポロシティもある。欠陥の原因となる中子ガスを低減または排除するためには、鋳型内の溶湯流動と凝固パターンはもちろん中子内部におけるガス生成、ガス流動および排出に関する詳細情報が必要である。
解析モデル
FLOW-3Dにより欠陥に関連する 中子ガス の予測を試み、鋳物と押し湯を合わせた形状を解析している。実機では主にA、B、Cの位置にポロシティ欠陥が出ている。
解析結果(引け巣と中子ガス解析)
引け巣によるポロシティ予測解析を行ったところ、領域AとBのポロシティ位置は正確に予測する事ができたが、領域Cの位置は予測できなかった。そこで 中子ガス モデルを確認したところ、溶湯への排出が確認され、位置的に領域Cのポロシティは 中子ガス によるものと考えられる。
まとめ
- 溶湯にトラップされた 中子ガス は、ポロシティの主要な発生要因の1つである。
- 中子ガスを考慮しないシミュレーションによるポロシティ欠陥予測は十分ではないかもしれない。
- FLOW-3Dは 中子ガス による潜在的な問題を予測する事ができる。
※資料提供 : Caterpillar Inc. 様