単ロール法による金属ガラス薄帯の作製 ~ 溶融パドル形成への影響 ~
金属ガラス薄帯
バルク状アモルファス合金(金属ガラス)は非晶質構造をとることから高強度、高剛性、耐食性、磁性など、機械構造用材料としても多くの特長を備えており、各種構造部材への適用が期待される。今後、急冷凝固金属ガラス薄帯は、地球温暖化対策と関連して、変圧器の需要増加と自動車などの大型輸送機械の各種モーター用磁芯材料への利用に向け、より高性能化が期待される。
単ロール法
均一で広幅の急冷凝固薄帯を作製するためには、主として単ロール液体急冷法のPFC(Planar Flow Casting)法が用いられる。PFC法は大型のノズルも使用可能なため広く薄帯の幅を変えることができ、急冷凝固金属ガラス薄帯を工業的に作製できる最も有効な方法である。
FLOW-3Dによる解析結果
ロール速度による影響 |
ノズルリップ厚さ比の影響 |
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ロール速度が速すぎると溶融パドルは正常に形成れず、溶融金属が不連続に後方に移送される。また、ロール速度が遅いと溶融金属は前方に移動する。従って、ロール速度は溶融パドル形成に大きな影響を及ぼす。 | 通常使用されるノズルリップ厚さ比2:1:1は、溶融パドルの良好な凝固パターンを示す。 | |
粘度による影響 |
ロールとノズル間ギャップの影響 |
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金属ガラスの粘度測定は非常に難しい。そのため、流体温度と流動パターンにおよぼす粘度の影響を推測した。粘度は、流体温度と流動パターンに影響をおよぼさなかった。 |
※資料提供 : Soft-Tech International, R&D Center 様