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Version 10.1 |
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FLOW-3D What’s New バージョン10.1
GUI
概要
- ユーザエクスペリエンス向上のため、FLOW-3D のユーザインターフェースのデザインが大きく変更され、解析の作成/編集/実行/モニタリングが簡略化されました。特にNaviagtor、Simulation、Meshing & Geometryタブは集中的に改善されています。
- NavigatorとSimulationタブはVersion 10.1で一つのタブとして統合され、Simulation Managerという名称になりました。ユーザが解析を実行/モニターする方法を改善し簡略化するために、二つのタブが統合されています。
- Meshing & Geometryタブのレイアウトが変更されました。 特にツリー構造がパネルに分割され、見やすさとデータ入力の簡便さが向上されています。
Simulation Manager
- 従来のNavigatorとSimulationタブが統合され、Simulation Managerタブとなりました。また、Queue Managerが追加され、解析のジョブ管理が出来るようになっています。
-
Queue Manager
Queue Managerは優先順位を変えながら複数の解析を管理するのにとても有用です。Queue Managerでは例えば、キューに解析を追加、並び替え、一時停止、リスタート、停止が可能です。Queue Manager下のボタンにより制御できます。
Meshing & Geometry
- Version 10.1ではmeshing & geometryのツリー構造は以下のパネルに分割されています。
- 上記の主要項目にはそれぞれサブウィンドウが用意されており、その項目にのみ関連する情報がツリーとして付随しています。それらのサブウィンドウをドラッグして、右や左の端にドックするか、ディスプレイやマルチモニタにフロート表示することで、Meshing & Geometry タブを解析毎にカスタマイズすることができます。
- GeometryサブウィンドウはComponent Propertiesサブウィンドウとリンクされるようになりました。このデザインの長所は、選択したコンポーネントに対応するプロパティリストが単独で表示される事です。興味のあるコンポーネントを選択する事で、それに関連するプロパティを表示することが出来ます。さらに、Graphical Object Selectionにより、ユーザはMeshing and Geometryウィンドウのどのオブジェクト(サブコンポーネント、メッシュブロック、時刻歴プローブ、スプリング/ロープ、バルブなど)もダブルクリックすることで選択可能です。このアクションで、関連するサブウィンドウのオブジェクトも(サブウィンドウが表示されている場合は)ハイライトされるため、設定箇所を探しやすく、設定変更が容易になります。右クリックメニューでは、表示、非表示、削除といったより直接的な機能が利用できます。
ソルバの新しいモデルと機能
流体-構造連成(FSI)モデルと熱応力変化(TSE)モデル
- 塑性変形フォン・ミーゼスの降伏条件に基づく温度依存の降伏、および(硬化を含まない)塑性変形が、FSIとTSEの両モデルに追加されました。この追加は、凝固金属内の残留応力の発達をモデル化するときに特に重要です。
- 解の前処理反復法FEA(有限要素解析)ソルバに対するオプションの前処理ステップは、より短時間に正確な解へ達することを支援します。
- 動的部分空間サイズ反復法GMRESソルバに対する部分空間サイズを動的に調節するオプションは、より短時間で収束へ達するように設計されています。
浅水と3次元のハイブリッド
3次元と浅水の解は、各ブロックが3次元または浅水のタイプへ割当てるメッシュ設定のマルチブロックを使用して結合できます。このハイブリッドモデルは、橋や余水路のような本来3次元である構造物周囲の流れを含めるために浅水モデル機能を拡張したものであり、領域内の他の場所の浅水流れを大規模スケールで効果的に結合します。
冷却チャネル
冷却チャネルモデルは、ボイド熱伝達モデルの使用を取止めて完全に書き直されました。新モデルでは、異なる冷却チャネルのタイプ数が制限されていません。そして、冷却チャネル特性は、時間依存の温度と熱伝達率を含む拡張、および時間と温度で制御される動作を含む拡張がなされています。後者の場合、冷却チャネルは型内に置かれた熱電対によって起動されます。冷却チャネルは個別オブジェクトとして3Dプロット表示され、ユーザは透明度や色などの可視化属性を操作できます。
気-液相変化
- スプレー冷却モデル非凝縮性ガス成分を持つ二流体の気-液相変化モデルは、液滴がラグランジアン粒子で表現されるスプレー冷却を含むように拡張されています。この粒子は、熱伝達および相変化を通して周囲のガスと相互作用をします。そして、この粒子は一旦液体の中に入ると吸収されます。また、このモデルは、円筒状チャネルの小さな穴から、指定した発生率で液滴が放出される“スプレーバー”と呼ばれる粒子湧き出しの特殊なタイプを含んでいます。
- 相対的な飽和現在では、蒸気/ガスの混合に対する初期条件および境界条件は、既存の非凝縮性ガスの体積率への代替として、相対的な飽和に関して定義できます。これは、空気中の水蒸気をモデル化するときに特に役立ちます。
- 飽和曲線と潜熱P-T曲線(飽和蒸気圧曲線)のテーブルと多項式の定義、および温度の関数としての潜熱は、P-T曲線および潜熱一定に対する既存のClausius-Clapeyron式の代わりとして気-液相変化モデルに追加されました。この追加は、相変化モデルにおける適用性を三重点から臨界点までの温度範囲に拡張します。
一般移動物体(GMO)
現在では、GMOコンポーネント(移動障害物)は、強制運動または完全連成運動において多孔質体として移動可能です。
流体の自動ボリューム補正
自由表面の大変形によりもたらされる系統的なボリュームエラーを補正するために、流体#1のボリュームを自動的に一定に保持するオプションが追加されました。このモデルは、燃料タンク内の流体スロッシングやギアボックス内のオイル撹拌のような閉じた系の流れで特に有用です。
流体の初期条件
- 一般的な静水圧一般的な静水圧ソルバが、従来の簡略的な線形解と置き換えるために開発されました。このソルバは、複雑な幾何形状、二流体の混合、可変密度の流体、および非慣性基準座標の運動モデルに対して働きます。
- リスタートの流体領域リスタート計算で使用される新しいタイプの初期流体領域が導入されました。これらの領域で、ユーザはリスタートのデータソースファイルから読込んだ初期条件(例えば、解の中に気泡または液滴を挿入する)を修正できます。
陰的な自由表面の圧力
自由表面境界に起因する時間ステップサイズの安定制限(安定コード’fs’)を取り除くことで、一流体自由表面流れのシミュレーションを高速化することに役立つ、陰的に自由表面の圧力を取扱うオプションが追加されました。
重力と非慣性基準座標(NIRF)モデル
問題設定時の混乱を取り除くために、重力の定義は一定重力(IACCF=0)を使用する場合と重力方向が時間によって変化するNIRFモデルを使用する場合とで切り分けられました。
二相ドリフトフラックスモデル
分散相の最小および最大体積率を定義するための機能は、二流体の場合へ拡張されました。
ガスベント
以前は一流体の断熱気泡オプションのみに作動していたガス抜きモデルは、二流体の圧縮性流体モデルにも同様に働くように拡張されました。
陰的移流
陰的移流ソルバは、移流フラックスの陽的および陰的近似の使用を直接制御するために、流速または時間ステップサイズの閾値をユーザが定義できるように拡張されました。この追加の目的は、完全陽的実行時よりも大きな時間ステップサイズを保つことでシミュレーションを高速化することにありますが、(ユーザの判断に基づくので)流れ本来の特徴を解くためには不十分です。
体積率のクリーンアップ
体積率のクリーンアップオプションは、時々STLデータのわずかな不正確さに起因する固体コンポーネント間の小さな開口をプリプロセッサで閉塞させることができます。わずかな開口セルは、流れの解の安定性に対する問題を起こしますが、それは同時に通常は重要ではありません。
流体リスタートのオーバレイ
リスタート間の標準的な解のオーバレイ手順は、流体界面の配置と内挿にボリューム・オブ・フルイド(VOF)関数Fを使用します。しかしながら、幾何形状がリスタートで修正される場合(具体的には、固体コンポーネントが削除され、結果的に隣接する流体がボイドへさらされる場合)、その時の流体界面は、より正確な解のオーバレイを提供するVOF関数および体積率VFの生成でより良く表現されます。これは、リスタート機能の現在リストにオプションとして加えられました。
直交異方性の熱伝導率
複合材のような薄い層状材料で作られている固体内の熱伝導率は、高い異方性を持つ可能性があります。新機能では、ユーザは直交座標の方向に沿った幾何形状コンポーネント(それ故、この名前はorthotropic)内に異なる比率の熱伝導を定義できます。
陰的圧力ソルバ
- 反復の最小数現在では、ユーザは圧力反復の最小を定義でき、より良い収束に達するために(収束基準を縮小させる代わりに)反復数を増加させることができます。
- 動的部分空間サイズ反復法GMRES圧力ソルバに対する部分空間サイズを動的に調節するオプションは、より少ない時間で収束に達するために設計されました。
その他
シミュレーションの終了
現在では、シミュレーションは既存の終了時刻およびその他の終了基準に加えて、時間ステップ数に基づいて終了できます。
普遍定数
一般ガス定数に対する入力変数が中子ガスモデルに追加されました。輻射熱伝達モデルで使用されるStefan-Boltzmann定数と共に、この変数のデフォルト値はユーザ定義の単位系に基づいて自動的に設定されます。
欠陥追跡
金属の酸化およびロストフォーム残留物に起因して生じる潜在的な欠陥は、現在では、それぞれfree surfaceおよびfoam residue欠陥として表示され、互いに別々に生成および追跡されます。この変更は、ロストフォーム鋳造の欠陥起源をより良く識別ことを支援します。
回転およびファン/インペラのコンポーネント
軸対称の回転コンポーネントおよびファン/インペラコンポーネントの定義は、仮想コンポーネントのコピーを作成する必要を取り除くために単純化されました。現在では、回転軸はユーザが二点を使用して直接定義します。また、コピー要求を除くことで、ユーザはSTLデータを使用してこれらの幾何形状物体を定義できます。
接触角の関数
流体/固体の接触線挙動の表現に対して、ユーザが容易に手を加えられるようにするために、ユーザカスタマイズ可能なFORTRAN関数のcangcalがソルバに追加されました。